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© 2019 by Yuuji Hiromoto with New Raga Acoustic 

 

主催 広本雄次
制作 New Raga Acoustics

  • Yuuji Hiromoto

旅の音色031 【ポカラ〜スノウリ〜バラナシ 1994年】

【ポカラ〜スノウリ〜バラナシ 1994年】 カトマンズに数日滞在後、ヒマラヤ山脈の麓ポカラへと向かった。 夕日に染まるヒマラヤは蓮の花のようにピンクに染まり美しかった。 ポカラで数日過ごしたあと、バスに乗りインドとの国境スノウリに向かった。

早朝出発して昼頃にバスがスノウリで停車。 国境に踏み切りのようなものがあった。 重いバックパックを抱えて歩いて渡った。 文字通りインドへの一歩を自分の足で踏み入れたのだ。

色々と遠回りしたが、やっと来ることができ、少し感傷的な気持ちでインドに入ったその時、 インド側の踏み切りの端で台の上に乗った枯葉色の制服を着た背の高い警察らしき男がこちらに向かって何か言っている。 高いところに立っているにも関わらずやや上を向いていて顎を突き出し見下げるようにこちらを睨んでいる。 口の中に何か赤い液体(後にこれがパーンだと知る)を蓄えながらこちらに向かって大声で何かモゴモゴ言ってるが聞き取れない。 近づいていって耳に手を当てて「わからん」と言う仕草をしてみると警察は口から赤い液体を地面にベッと吐いて、 「ウェアール ユウ カムフロム!ウェアール ユウ カムフロム!」と 独特の発音でギリギリわかる英語を喋っていた。 「ジャパン!」と返すと特に何も質問もなかったようで少し頷いてから「ゴー」とだけ言い手でシッシッとやって追い払われる。 何か釈然としない気持ちのままパスポートコントロールのある小屋に行き、渡された書類をテーブルで書いていると、 目の前に座っている牛のような顔をした係のインド人が呼吸をするような頻度でゲップを「ヴウェー、ヴウェー」とこちらに向かって吐き出してくる。 最小限の呼吸を心がけながらさっさと書類を書き上げ外に出ようとすると サイクルリクシャーの運転手のオヤジがこちらに向かって「アウー!アウー!」と言いながらリクシャーの座席をバンバン叩いている。 言葉が話せないらしいがこちらの言っていることはわかるみたいなので「バラナシ!バラナシ!」と目的地を言うと バラナシ行きのバスまで連れて行ってくれた。 ローカルバスなので超満員だったが、東南アジアで鍛えられていたのでさほど苦ではなかった。

数時間後バスがおもむろに停車。 全員が降りていく。 バラナシはまだの筈。 とりあえず付いて行き、周りの人に「バラナシ バラナシ」と言うと「大丈夫、ここにいろ」と言う。 道路の端で立っていると10人乗ったら一杯のジープが目の前に止まる。 待っている人の人数は20人位だったが全員がそこに乗り込んでいく。 最後にもう人が座っているドアのない助手席側に座れと託されたので荷物を前に置いて、お尻半分ほどのスペースに車から体半分くらい出ている状態で手すりに手を掛け座り、少し走るとまたバス停に到着してそこからバスでバラナシカント駅に。 駅からテンプー(オートリクシャー)に乗ってガンジス河へ向かった。

それらの行程の中で僕は想像以上にインドを全身で感じていた。

とにかくまず初めにガンジス河に行くことだけが頭にあり、ガイドブックも見ず、宿の予約も何もしなかった。 それが漠然とだけどこの旅を意味あるものにするような儀式のような気がしたからだ。

夜中の3時頃にガンジス河のガート(沐浴場)に向かい重い荷物を持って石段を降りるとそこは既に沐浴をするものや、商売をするもの、ポン引き、観光客、巡礼者、花売りなどが沢山いて熱気に包まれていた。

石畳、木の船、竹傘、寺院から聞こえる鐘の音、宗教歌。

ガートでチャイを飲みながらガンジス河の対岸に登る美しい朝陽を初めて見た。


#旅の音色

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