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© 2019 by Yuuji Hiromoto with New Raga Acoustic 

 

主催 広本雄次
制作 New Raga Acoustics

  • Yuuji Hiromoto

旅の音色 004【バラナシのタブラ奏者-Pandit Lacchu Maharaj】

最終更新: 2019年6月5日

【バラナシのタブラ-Pandit Lacchu Maharaj】


演奏を見てもっとも衝撃を受けたタブラ奏者。


以下、2016年の8月1日にSNSに投稿した記事。 ------------------------------------------------- バラナシガラナ(バラナシ流)タブラの一つの完成形

最後の伝説的人物が逝ってしまった。


もうバラナシにあのようなタブラ奏者は現れないと思う。。。


僕がタブラを始めた1994年頃、インドではUSTAD ZAKIR HUSSAIN氏が爆発的に売れ始めた時期で、その力強く繊細で洗練されたモダンなスタイルは、ソロ、アカンパニーともに多くのフォロワーを現在も生み続けている。

まだガラナの意味もよくわからないくらい初心者の頃の僕もかなり影響されてた。

あのPandit Lacchu Maharaj氏のタブラソロを観るまでは。。。


1998年にバラナシの酷暑期の風物詩『サンカタモチャン寺院』でのコンサートで観た氏のタブラソロは異色中の異色でかなりの衝撃を受けた。。。

伴奏のAshok Jha氏のハルモニウムがゆっくりと演奏を始めると会場全体が何か異様な緊張感に包まれた。 少しして慣らすようにタブラが始まり、しばらくするとしゃがれた声で話すようにリズムのフレーズをタブラを叩きながら発し出し、いつしかそれはだんだんと激しくなり、最後は切り裂くような叫びに変わり、爆発的なUTHANがその場に放たれた瞬間、会場にいた全ての人が今ここで何が起こったのか理解できないかのようにザワザワとざわめき始め、最後にはまるでそこに神を見たかのように沢山の人達が『ハーラー ハーラー マーハーデーヴ!!!』(シバ神に捧げる言葉)と叫びだした。。。


こんなタブラ聴いた事ない。


バラナシ特有のレアなフレーズの数々。。

今もはっきりと思い出す事ができる忘れられない演奏。。。

その時MDに録音した音源は家宝の一つになってる。

 

それから数年後のある日、バラナシで氏のお弟子さんのS君が「グルジーにユージさんの事を話したら一度連れて来いって言ってるんです」と言ってきたので、日を合わせて二人で氏の家へ。

氏の家に着いた時、S君の緊張度合がかなり高いので少しずつこちらにも伝染。 氏の部屋は木戸が閉まっていたが、そこにいるのは雰囲気でわかった。 外で少し待っていると部屋の中から氏が咳込む声が大きく響く。 僕とS君はその声にビクっと反応。 更に待つ事数十分、ゆっくりと戸が開いて氏が手招き。 目の前に座る氏は薄っすらと笑みを浮かべるが、目は鋭く刺すよう。

拙いヒンディー語で一通り自己紹介が終わると氏はS君にタブラを用意するように指示。 目の前に置かれ「何かやってみろ」と言われたので少し演奏してティハイ が終わると大きく頷いて「次はどうする」と氏。 別の技をまた少し演奏すると「その次はどうする」「その次は」「次は」。。

そういうやりとりで結局20分程のソロを演奏した。

演奏後に氏は僕の横にいるS君に向かって「アッチャー ラクター ハエ(いい感じだ)」と言ってくれた。

後で聞いた話だけど、S君曰くそういう褒め言葉をグルジーが言うのは滅多にない事と言うので素直に嬉しかったのを覚えてる。

それから3人でチャイを飲んだ後、なんと氏は何も言わずに自分のタブラに向かい、僕の目の前で20分程のソロを演奏してくれた。。。

本当にリラックスした状態での氏のタブラは凄すぎた。


それは言葉にできないくらい深い経験でした。


10数年経った今もあの日の氏のような音を出したくて練習しています。


ほんの数時間だけのすれ違いのようなご縁でしたが、本当にありがとうございました。


一生忘れません。





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